中学受験で志望校を決めるとき、どんなことを基準にして選んでいますか?
大学受験を視野に入れて中学受験を考えている家庭の場合は、進学実績や教育内容が一番気になるんじゃないでしょうか?
塾なし中学受験をしたこもんがですが、志望校を選んだ時には進学実績や教育方針だけでなく説明会や体験授業に参加して感じ取れる学校の校風や雰囲気など納得いくまで情報を比較検討した、つもりでした。
でも、入学後のこもんがや他の一貫校に進学した友人達の様子を見ていると、実際に入学するまではあまり考えていなかったけれども、実は志望校選びで結構重要なことだったかも!というようなことがありました。
なのでこの記事では、実際に一貫校に入学してから感じた「志望校選びで確認しておいた方が良いこと」をまとめてみました。
これから中学受験をしようと思っている人の志望校選びの参考にしてもらえると嬉しいです。
指導方針が学校主導か、生徒の自主性に任せられているか
まずはこれです。
実際に入学するまでは全く考えなかったのですが、こもんがの学校とほかの一貫校に進学した子供達の様子を比べると、学校によって大きく分けて2タイプの指導方針があることに気がつきました。
具体的には以下のようになります。
学校主導で生徒を導く指導方針
生徒の自主性に任せる指導方針
たとえば学習面において学校主導である場合は、0校時や8校時があったり連日行われる小テストなど、課題宿題補習模試を組み合わせて生徒を引っ張っていくという具合で、もう一方の生徒の自主性に任せる方針をとっている学校の場合は日々の学習については厳しく管理しないといった具合です。
どちらの教育方針の場合でもメリット、デメリットはあるのですが、与えられた課題をこなすことに喜びを感じるタイプか、自分で見つけた課題に取り組むことが好きなタイプかによって選択肢が真逆です。
また、学業面だけではなく、生活面においても厳しく指導する学校と自由な学校があって、コンビニもスマホも禁止、髪は黒ゴムでまとめて白ソックス、学校周辺は先生方が見回りをしてくださっているというような学校もあれば自由で生徒まかせの学校もあります。
指導方針が子供に合っていないと、否定的な印象を学校に対して持ってしまいます。
子供と相談しつつ、合っていると感じる方を選択しておくと余計なストレスを感じずに学校生活を送ることができます。
ちなみにこもんがが進学した学校は、学習面では学校主導だけれども生活面は生徒の自主性に任せるというタイプでした。
学習面で学校主導といっても大量の宿題が出される以外は0校時や毎日の小テストはなく、放課後の補習も成績不振者のみなので、生徒達を追い込みすぎないように学校なりに配慮してくれているのかなという印象でした。
学校が掲げる教育方針を実際にどのような形で運用しているかは、公式サイトや学校案内を見ただけではなかなかわからないものだと思います。
なので、説明会に参加した時などに以下のような点を確認しておくことをおすすめします。
小テストや補習の頻度
1日、または1週間あたりの課題や宿題をあわせた負荷はどの程度を適当と考えているか。
宿題や課題の量について教科間で連携をとって調整しているか
スマホの使用の可否
学校外での見回り
特に、小テストや補習、宿題の量については入学後の子供の生活への影響がとても大きいです。
入学後に「こんなはずじゃなかった」とならないように、自分達が納得できる指導方針であるかを確認しておくことをおすすめします。
海外大学への進学に対応しているか
大学は日本国内!と決めている場合は、問題ないのですが海外の大学も視野に入れている場合は注意が必要です。
どういうことかというと、海外大学の場合出願時に高校の先生からの英語による推薦文など日本国内の大学への受験プロセスと異なります。
海外大学への進学に積極的な学校であれば問題ないのですが、そうでない場合は書類を揃えるだけでも一苦労です。
また、そもそもイギリスやオーストラリアなどの大学は日本の高校卒業資格では直接大学に入学できません。
そのため、海外大学も視野に入れている場合は、学校側が海外大学進学に対応できるかどうかも確認しておくと良いでしょう。
また、「IB」ディプロマが取れる場合でも、特に理系に進む場合は不利なので「AP」や「Aレベル」に対応している学校を探す、またはオンラインなどで計画的に自分で学習しておくことをお勧めします。
通学にかかる負担が大きすぎないか
通学に負担がかかりすぎないことってすごく大事です。
駅徒歩1分みたいなところに住んでいる家庭ならまだしも、朝早くに家を出て徒歩で駅に向かい、電車やバスを乗り継いで学校まで行って、それからみっちり勉強し、満員電車に揺られて家に帰ってきたら、大量の宿題に取り組むなんていう生活が続くと子供は疲れ果ててしまいます。
結果、授業中は爆睡で成績も下がり補習も常連になってしまい、帰宅時間もさらに遅くなり、でも帰宅後は宿題もやらないといけないし、みたいな感じで一歩間違うと…
…ブラック企業?
という状態になってしまいます。
なので、ドアツードアで6年間無理なく通い続けられそうかどうかを、実際に通った場合を想像しながら志望校選びをするようにした方が後悔しません。
また、朝の登校時間についても学校によって違います。
朝の30分って、すごく大きく違うように感じるので通学にかかる時間と合わせて確認しておくことをおすすめします。
弁当か給食か
公立だと基本給食があるのであまりお昼の心配をすることはないと思うんですけど、私立のお昼事情は学校によって全然違います。
パターンとして、給食、弁当、学食(カフェテリア)があって、給食のみだったり、基本弁当で週に何度か給食があったり、弁当か給食か選べたりとか色々です。
そして、周りを見ていて親が一番大変なのは完全弁当の学校で、特に0校時があって登校時間が早く、しかも共働きで下の子供もいるといった状況になると、親も体力勝負になってきます。
一方、子供が大変なのは給食がまずくて他の選択肢がない学校です。まずくても弁当が選択できれば良いんですけど、全員強制的に給食だったりすると我慢するしかないようでつらそうです。
贅沢と言ってしまえばそれまでなのですが、毎日のことなので、特に食べることが好きな子供さんや、親御さんが多忙な場合はよく調べておいた方が良いです。
校風があっているか
そもそも私立の場合、その学校を良いと感じる価値観の生徒または親で構成されているので、学区内の子供が集まる公立中と比べて生徒達の多様性みたいなものがあまりないです。
そして、親や教師も母校出身だったり、公立のような転勤もないため勤続数十年の先生方もいらっしゃることがあるので、よりはっきりとした校風があります。
校風が合っていれば天国だけど、合わないとつらいかも
なので、説明会や文化祭などで学校を訪問した際には教職員や生徒達の様子だけでなく、先生と生徒がどのようなコミュニケーションをとっているかなども観察し、自分の子供に合っているかを見極めるようにすると良いと思います。
たまたまなのかもしれませんが、ままんが家が訪問した学校も、緩いな〜と感じた学校の願書はほぼ氏名だけ、保守的な雰囲気だな〜と感じた学校は調査書の他にも親の最終学歴まで記入する欄があったりと校風の違いが提出書類にまで反映されていました。
学校によっていろいろなので、自分達に合っている学校を選ぶのがベストだと思います。
提供されているカリキュラム
私立の魅力のひとつでもあるのですが、学校によって本当にいろいろなカリキュラムが提供されています。
医学部や難関大を目指すだけでなく、IBやAレベルなどで海外大学への直接進学を目標とするコースを提供していたり、必修授業で茶道や空手があったり、カリキュラムを調べると各校の特色がはっきりします。
最近よく見かけるPBLの授業なども、大学受験にどう繋がるのがイメージしづらいんですけど、学びの過程で子供自ら興味のあることを発見し、勉強のモチベーションに繋がったなんていうこともあるのでぜひ検討してください。
決まった答えに向かって思考する中学受験の勉強と違って、自由な考えをアウトプットできるPBLの授業は新鮮で良い刺激になると思います。
立地
学校から最寄駅の間に雰囲気の良くない繁華街があったり、逆に周りに何もなさすぎて一人歩きが心配になるような環境だったり、バス停が寂しいところにポツンとあったりしないかを確認しておくと良いです。
部活とか委員会だけじゃなくて、イベントの準備とかがあると暗くなってから下校することもあるよ。
生徒のサポート体制
学級担任制だけでなく、学年担任制や複数担任制を取り入れていたりと、生徒のサポート面でも工夫が凝らされている学校もあります。
特に学校生活に不安を感じる場合は複数の先生方のサポートを受けられる体制が整った学校を選ぶと良いと思います。
大学の附属校か進学校か
併設の大学があり、卒業生の多くが系列の大学に進学する学校や、併設大学があるけれども別の大学に進む割合が高い附属校、系列の大学がない学校があります。
大学の附属校の場合、大学の施設や設備を使えたりといったこともあり、部活などをやっていると系列の大学生が指導をしてくれることもあります。
併設の大学に行きたかったり、附属の中学から大学までずっと私立でいける経済力があれば、のびのび過ごせて良いんじゃないかなと思います。
共学か別学か
男子校、女子校、共学校があります。
中学で別学を選ぶことができるのって私立ならではですよね
口の達者な女子が苦手な男の子だったり、やんちゃな男子が苦手な女の子には別学の存在はありがたいんじゃないかなと思います。
宗教系の学校か
ミッション系の学校に興味がある場合は以下のホームページなどを利用して探すことができます。
宗教系の学校は大学受験をする時に指定校推薦とは別の推薦枠があったりします。
上智大、ICU大、青山大あたりはよく知られているかもしれませんが、ミッション系高校からの推薦枠を設けている大学は他にもたくさんあります。
特に各宗教の理念に共感している場合には、宗教系の推薦枠について調べてみても良いと思います。
寄付金の有無
私学なので寄付金を求められる場合があります。
入学に関して寄付する分以外であれば「寄付金控除」として所得金額から差し引くことができるので、入学時以外に寄付した場合は確定申告しましょう!
子供がいきたいと思っているか
何よりも、子供が本気で行きたいと思っていない場合は受験勉強をするモチベが上がらないです
特にこもんがのような塾なし中学受験の場合は、周りに引っ張ってくれるような仲間も講師もいないので子供のモチベーションの維持ができなくなったらおわりです。
また、子供と意見が合わず親の希望を優先し運よく入学できたとしても、中高の6年間は肉体的にも精神的にも子供から大人に変わっていく不安定な時期です。
子供の気持ちを一番に優先しておくことが、親御さん自身にとっても後にベストな結果になるんじゃないかなと思います。
過去問との相性を確認しておく
これは、行きたい学校がほぼ決まってからでいいと思うんですけど学校の出題傾向が子供にあっているかっていう点も確認しておいた方が良いです。
同じような偏差値の学校でも過去問との相性で出来が違ったりします!
こもんがの場合も、模試の偏差値では微妙かなと思っていたチャレンジ校については、もともと得意な単元が多く出題される傾向にあったせいで合格することができたように思います。
逆にいうと、偏差値上では余裕なんだけど、どうにも過去問の出来が悪い場合には、事前にしっかりと対策を立てておくだけでなく併願校も慎重に選んでおいた方が安全です。
本命校で実力を発揮できるように併願校を選ぶ
本命校の入試でベストのパフォーマンスができるように併願校を選びます。
一般的に三段階くらいの異なる難易度の学校を受験すると思うのですが、受験する順序にも気をつけるようにします。
どういうことかというと、限られた時間で問題に取り組む必要がある受験では、焦りや不安はマイナス要因でしかありません。
一発目がいきなり本命校!といった日程ではなく、本命校の入試日より前に一校でも良いので合格をもらっておく気持ちに余裕ができます。
日程的に本命校が最初の試験になってしまう場合は、たとえ進学するつもりはなくても練習も兼ねて一校受験しておくことをおすすめします。
こもんがは、練習校→本命校→チャレンジ校の順で受験したよ
最初の2校で合格をもらっていたこともあり、チャレンジ校では自分のペースを崩さずに試験を受けることができたようで、予想外の合格をいただくことができました。
まとめ
こもんがの塾なし中学受験では、かなり熱心に情報を集めて万全の志望校選びをしたつもりだったのですが、入学してから気づいたことも結構あったので、もう一度中学受験をするとしたらどんなことを考えて志望校を選ぶかを考えてまとめてみました。
この記事が、これから中学受験を考えている人の志望校選びの参考になると嬉しいです。
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